地中海の真珠

水曜日から、あなたと一緒に
大好きなあの島へ出かけられるように、
頑張って仕事を片付けました。

こんなに夢中で仕事したのは、久しぶり。
今年になってから、一度しか会っていないし、
いろいろなことがあったから、
そんないろいろから、遠く離れて
二人きりの時間を持とうと、
誘ってくれたのがうれしくて。

仕事で出かけるあなたと一緒に
あの島を訪れるようになって、もう5年。
初めて出かけて行くまで、
名前の響きを心地よく思いながらも、
実際どこにあるのか、地図で見たこともなかったけれど、
今では、あの島には思い出がいっぱい。

それまで使うのがこわかったloveと言う言葉、
言ってしまった途端に、
暖かくて自然で、うれしかったのも、
一人で先に帰る…と泣きながら、
わたしの中で、何十年も、がちがちに凍りついていた部分を
見せてしまったのも、あの島。　

あの島の、真っ直ぐに輝く太陽の下では、
なにもかもが、はっきりと、くっきりと見えてしまって、

私のこころのささくれと、
あなたのこころのささくれが
擦れあうのが悲しくて、
あんなに泣いたことはないぐらい泣いたこともあるけど、

余計なものが全部剥がれて、
あなたとわたしがひとつで居られる時、
それは、ほんとうにぴかぴかと輝くほどきれいで、
こころが、大きく広がって行くようで、
そんな瞬間のために生き抜いて来たのだと思います。